現在当店では、通常の和牛とは一線を画す、極めて希少な一頭の牛を特別にご提供しております。それは、46ヶ月という長い年月をかけて育て上げられた「いぶさな牛」の経産牛です。
一般的な和牛が出荷されるのは約28ヶ月齢ですが、この牛は46ヶ月もの間、愛情を込めて育てられました。さらに「経産牛」とは、出産を経験した母牛のことです。
この経験と長い飼育期間が、肉質に驚くほどの変化をもたらします。
若い牛が持つ脂の華やかさとは異なり、赤身に滋味深さが増し、アミノ酸が豊富になることで、より複雑で濃厚な旨みが凝縮されるのです。これは、和牛の多様性と奥深さを知る、真の食通にこそお勧めしたい逸品です。
「いぶさな牛」とは?和牛の歴史と未来を繋ぐハイブリッド
「いぶさな牛」は、単なる黒毛和牛ではありません。そのルーツには、日本の和牛史における壮大な物語が秘められています。
いぶさな牛の父親は、1830年にまでその歴史を遡る日本最古の蔓牛(和牛の優良血統)であり、現代和牛の礎となった「竹の谷蔓牛」。この「幻の和牛」は、力強い赤身の旨みが最大の特徴です。
そして母親は、現代黒毛和牛の最高峰の血統。こちらは、とろけるような食感と甘い脂の香りが持ち味です。
いぶさな牛は、この両者の「いいとこ取り」を実現するために生まれた、唯一無二のハイブリッド和牛です。つまり、歴史的な蔓牛が持つ濃厚な赤身の旨みと、現代和牛が誇るきめ細やかなサシと柔らかさを、一皿の上で同時に体験することができるのです。
今回の牛で味わうべき、珠玉の部位
一頭一頭が持つ個性の違いこそ、希少和牛を味わう醍醐味です。今回ご提供している46ヶ月・経産牛の中でも、特に素晴らしい仕上がりを見せている部位を2つご紹介します。
- リブロース (Ribeye)
和牛の代表格ともいえるリブロースは、この牛の持つバランスの良さを最も体感できる部位です。
経産牛ならではの力強い赤身の味わいの中に、いぶさな牛特有のきめ細やかで上品なサシが溶け込みます。脂の甘みと赤身の深いコクが織りなすハーモニーは、まさに絶品です。 - ウチモモ (Top Round)
赤身の真髄を味わうなら、ウチモモをおいて他にありません。
牛の後ろ脚の付け根に位置するこの部位は、脂肪が少なく、肉本来の味が最も濃厚な部位の一つです。
特に今回の経産牛のウチモモは、噛みしめるほどに凝縮された旨みが口の中に広がり、長い余韻をお楽しみいただけます。
塩を少し振るだけで、この牛肉が持つポテンシャルの高さを感じていただけることでしょう。
この特別な牛を味わえるのは、在庫がある今だけの期間限定です。 東京での食体験を、一生忘れられない思い出にするために。この「一期一会」の出会いを、ぜひWAGYU YAKINIKU IBUSANAでお楽しみください。 皆様のご来店を心よりお待ちしております。